全社導入したタスク管理ツールが定着しなかった理由
要点
全社導入したタスク管理ツールが定着しなかった根因は、ツールの機能不足ではなく、既存ワークフローとの不一致と移行設計の欠如にあった。
導入直後の反応
導入初期は説明会も行い、一部のチームは積極的に使い始めた。しかし数か月後には、多くのメンバーが従来のスプレッドシートやチャットでのやり取りに戻っていることが判明した。
表面的な理由と本当の理由
最初は「新しいツールが使いにくい」という声が主な理由とされていた。ただし、詳しく調べると、既存のワークフローとの二重入力が最大の負担になっていたことが分かった。既存のチャットツールでタスクの依頼が発生し、それを別途タスク管理ツールにも入力する手間が発生し、結局どちらか一方だけが更新される状態が常態化していた。変更管理(change management)に関する公表資料が指摘する通り、新しいツールの定着には、既存の業務フローをどう置き換えるかという設計が導入前に必要であり、今回はその設計が欠けていた。導入プロセスに関する一般的なガイドでも、二重入力の放置は定着失敗の代表的なパターンとして挙げられている。
再導入に向けた教訓
この失敗から得られた教訓は、ツールを導入する前に、既存のどの業務フローを置き換えるのかを明確にし、二重入力が発生しない移行手順を用意する必要があるという点である。導入プロセスに関する一般的なガイド(公表資料)でも、経営層の関与が定着率を左右すると指摘されており、現場任せの導入は形骸化しやすい。ナレッジ管理ツールの選定でも同様に、ツール単体の機能比較だけでは定着は保証されない。業務自動化をRPA から API 連携へ移行する際も、既存業務との整合性を先に設計しないと同じ失敗を繰り返すことになる。
次に何かを導入する際は、機能の比較よりも先に、既存フローの置き換え手順を具体的に描くことから始めるべきである。